再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

「俺にできることなんてこれくらいだ。」
「ありがとう」
口いっぱいに焼肉を入れながら麻衣が言うと、その膨らんだ頬をつまむ稜真。
「でも、言いたくなたらいつでも言え。俺は待ってるんだからな？それだけは忘れるなよ？」
「ありがとう」
見つめ合い微笑みあう。

麻衣は心から稜真に感謝をしながら、決意を新たに仕事に打ち込むことを決めた。

「そういえば、大物アーティストのコンサートって、瀬波理久だったんだな。」
「そうだね」
食事も後半になり、先に食べ終えている稜真が話始める。
「俺たちと同じ年だからなんか親近感沸いて、結構音楽とか聴いてた。」
「そう。」
「麻衣は？ファンじゃないの？」
「・・・私は違うかな。」
「そっか。なら仕事やりやすいな。」