再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
理久の髪に触れた瞬間にあふれ出すいろいろな過去の思い出たちとその時の感情。

震える手で、理久の髪に触れながら麻衣は鏡越しに心配そうに麻衣を見る理久に視線を移す。

理久に頬む麻衣。
その微笑みのぎこちなさに、理久はすべてを悟りながら麻衣に微笑み返した。

麻衣は大きく深呼吸をしながら髪をセットした。

セットを初めてしまえば麻衣は誰よりも理久の髪を早くセットできる。
髪の質も、生え方も、癖も、頭のカタチも、すべて手が覚えているから。

震えが止まらないままの麻衣。
理久はそんな麻衣に気づきながら、鼻歌を歌い続ける。

少しでも麻衣の心をほぐせるようにと・・。
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