再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

本番前日。

麻衣は深夜に理久に連絡をした。

『どうした？』
すぐに連絡に出た理久。
「ごめんね、大事な夜に。」
『むしろ声、聞きたくて俺も連絡しようと思ってた。』
「いよいよだね。」
『あぁ。』
麻衣は自分の部屋のソファに座りながら、クッションを抱きしめて話を続ける。

「理久と一緒に仕事ができてよかった。」
『俺もそう思ってる。』
「理久のステージに立つ姿見たら泣いちゃうかも。リハーサルでも泣けそうだったのに。」
麻衣は話をすることをもう決めている。
何度も何度も心の中で練習をした。