甘いキミに、一生愛されたい。
「なーゆ。おいで」

「凛音!?帰ったんじゃ——」

「ほら、おいで」

 ……ほら、俺以外のヤツにだって言われてたんだよ、そんなようなこと。

 バカな夢見て、本当に俺って……バカで無能だ……価値がない。

「凛音!!うるさい!!」

 ……は?

「お前!!夜毎もうるさい!!」

 か、軽く、口悪い……?

「第一こっちは人の話聞けっつってんの!!わかる!?そんなにバカじゃないでしょ!!なのに無視して勝手に勘違いしてるし!!こっちの身にもなれー!!!」

「は……?」

 勘違いって、奈結が自分のことを好きでいてくれていたと思ったことか……?

「私が好きなのは、夜毎だけなのぉっ……!!さっきは、凛音が勝手に抱きしめて、喋れないぐらい強く押さえつけられてただけだから!」

「は……?」

 んな、バカな……奈結はバカ力あるだろうし……。

「ね!凛音!認めないと、もう仲良くしないよ?」

「っ、あーはいはい、その通りですよ」

「ほら!ね?夜毎……信じてよぉ……私……悲しかったっ……」

「えっ……?」

 奈結が、悲しい……?

 俺が、ずっと奈結を無視してたのか?

——そういえば、なにかを話そうとしていた時が、何回かあったような……。

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