甘いキミに、一生愛されたい。
「入るよー」

「っ!この声はっ!!」

ガチャ

「……え?誰?」

「あ、久しぶりです!雷人さん!」

「……え?その声、奈結ちゃん?」

「覚えててくれたんですねっ……!!」

 タッタッタと言わんばかりに兄貴に近寄って兄貴の手をギュッと両手で握りしめた奈結。

「え!ちょー!美人になってんじゃん!」

 ……どうして、こう兄弟なのにちがうんだ……?

「えへへっ、美人だなんてっ……そう言ってもらえて、嬉しいですっ……!」

「うゎ、待ってマジでヤバいマジで美少女……」

「はぁ……」

 っていうか、奈結のこと覚えてたじゃねぇか!

「……どうしたの?そんな怒った顔して」

「うるせぇお前せいだ!」

「よ、夜毎……?」

「ふふっ、どうしたの、奈結」

 そう優しく言いながらも奈結を結構な力で引っ張り抱き寄せる。

「ど、どうしたの?」

「なんで兄貴の方にいたの?あんなクズに触れちゃだめだよ」

「ちょっと、お前それはないでしょ」

 こんな女癖が強すぎるヤツに……。

「奈結ちゃんが婚約者とは思わなかった……ごめんねー婚約する日さーちょっと遊んでて」

  ・
 女と、な……。

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