甘いキミに、一生愛されたい。
「やぁだっ……」

「ごめん、でもそれは無——」

「私には……夜毎しかいないからね」

 ちょっと照れてそう言った奈結に顔が火照る。

「はぁ……わかった。ふふっ、2人でおうち帰ろうか」

「うんっ……!」

 嬉しそうにそう言って微笑んだ奈結のは頬にキスを優しく落とす。

「っ」

「ふふっ、じゃあ帰ろう、車あるから神楽もきてるし」

「え!そうなの!じゃあまたクッキー焼いたの渡そうとっ!」

 可愛く言っても無駄だって……そんなのだめ。

「だめだよ、クッキーあげたら」

「……お願い……」

 あー……本当にその上目遣い、ズルすぎる。

「本当に……」

 マジでどこで覚えてくるんだよそんなこと……。

「……?」

「ははっ、これは奈結ちゃんもベタ惚れだね」

「えへ、へつ……」

 あーまたそうやって可愛いことする……。

 そう思いながら奈結をギュッと再び抱きしめる。

———これは、奈結からの愛が少しだけ自覚できた時の話。


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