甘いキミに、一生愛されたい。
「君が夜毎くんだね」

「あ、こんにちは」

 うゎ、すげー愛想笑い……。

 まぁ、俺もだけど……。

「僕は入日伊織です、よろしく」

「っ、入日財閥の」

「ふふっ、さすが久遠財閥、よろしく」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 軽く握手をして、頭の中でただ一つのことを考える。

 ……ライバル会社……。

 あー……いまはそんなことを考えるな、俺……。

「あ、あのっ、こんにちは、彩葉ちゃんの友達のっ、苺谷奈結ですっ……!」

「あ、こんにちは。入日伊織で——弟が、お世話になりました」

「へっ?」

「奈結さんにちょっかいをかけたらしく、中学生の」

「あっ!ああー……!い、いえ!」

 ……いや、実質アイツのせいで俺ら別れそうになったけど……。

「よし、じゃあ行くわよー!」

「ふふっ、うんー!」

「……彩葉と、“友達として”これからもよろしくお願いね」

「当たり前ですよ、あと奈結に絶対に手出さないでください」

「んなバカなことする訳ないでしょ?久遠くんったら、冗談がすぎるよ〜」

 怖い、マジでなんなんだよ……。

 顔に彩葉命って書いてあるのがマジで見えた気がした。
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