初カレはヤンデレすぎる束縛彼氏
体育の時間は男子はバスケ、女子はバレーボールだった。
しかし試合をしている人以外、女子は葉山こと月宮麗に釘付けだった。
「月宮ナイスー」
月宮がシュートする度女子のコートから歓声が上がる。どうやらアメリカではずっとバスケをやっていたらしい。
だからあんなに丸々とついていた脂肪も消えたのか?とボーッと見ていたら、同じクラスの女子から声をかけられた。
「黒澤さんて、月宮君と知り合いだったってホント?」
「う、うん。そうだけど…」
「いいなー!昔の月宮君ってどうだったの?やっぱりモテてた?」
「あー…」
言っていいのかな?今よりめっちゃ太っててクラスのガキ大将だったってこと。
ちら、と月宮に視線を寄越すと「絶対に言うな」と無言の圧をかけられた気がした。
「あ」
「え?」
月宮が何か言いかけたと同時に頭に物凄い衝撃が走る。
それから意識が遠のいて、何故か月宮が焦ったようにこちらへ近づいてくるのを最後に、目の前が真っ暗になった。
「…ん」
目を覚ましたら、白い天井が見えて、ここが保健室のベッドだとわかった。
「大丈夫か?」
そしてベッドの隣にある椅子には月宮が座っていた。
「うん…私…」
「バスケのボール当たって倒れたんだよ。ったく、避けろよな。どんくせえ」
どうやら、試合中の流れ玉が運悪く女子コートまで飛んできてたまたま私に命中したらしい。それを見ていた月宮がわざわざ保健室まで運んでくれたのだ。
だけどやっぱり、口の悪さはあの頃と変わらない。
「うん…ありがとう」
「何笑ってんだよ!」
うぎぎ、と照れ臭そうにしている月宮の顔を見て思わず笑ってしまった。
そういえば、月宮は何でここまで運んでくれたんだろう?私のことを許さないって言っていたのに。
だから単刀直入に聞いてみることにした。
「本当に思い出せなくて悪いんだけど、昔私がやった“許せないこと”って何なの?」
「は?」
急に空気が変わって、月宮が冷たい目で私を見下す。
「本当に覚えてないわけ?昔お前が俺にしたこと」
「う、うん…」
鋭い目で睨みつけられて、思わず体が強ばる。
すると、月宮が椅子から立ち上がって寝ている私のベッドへと乗っかってきた。
「ちょっ…」
「は、間抜けなツラ」
顔の両側に腕を下ろし、至近距離で慌てる私をあざ笑う。でも、目だけは全然笑ってない。
「そうやってまた俺をもてあそんで、楽しいか?」
「え…?」
もてあそぶ?私が?いつ?
いつのまにか、手首を捕まれて逃げられない。もがこうとしても、びくともしない。
昔は私の方が強かったのに。
誰か助けてーと思った瞬間、保健室の扉が開く。
「みちる!」
蓮の声が聞こえて、月宮が身を起こす。どうやら保健の先生が荷物を取りに行くついでに蓮に知らせてくれたらしい。
助かった…と思ったのも束の間、カーテンを開いた幼馴染にベッドで男に押し倒されてる姿を見られてしまう。
「よお、久しぶりだな。蓮ちゃん?」
「葉山…?」
いじめっ子といじめられっ子だった二人が、私のせいで最低最悪の再会を果たしてしまうー。
しかし試合をしている人以外、女子は葉山こと月宮麗に釘付けだった。
「月宮ナイスー」
月宮がシュートする度女子のコートから歓声が上がる。どうやらアメリカではずっとバスケをやっていたらしい。
だからあんなに丸々とついていた脂肪も消えたのか?とボーッと見ていたら、同じクラスの女子から声をかけられた。
「黒澤さんて、月宮君と知り合いだったってホント?」
「う、うん。そうだけど…」
「いいなー!昔の月宮君ってどうだったの?やっぱりモテてた?」
「あー…」
言っていいのかな?今よりめっちゃ太っててクラスのガキ大将だったってこと。
ちら、と月宮に視線を寄越すと「絶対に言うな」と無言の圧をかけられた気がした。
「あ」
「え?」
月宮が何か言いかけたと同時に頭に物凄い衝撃が走る。
それから意識が遠のいて、何故か月宮が焦ったようにこちらへ近づいてくるのを最後に、目の前が真っ暗になった。
「…ん」
目を覚ましたら、白い天井が見えて、ここが保健室のベッドだとわかった。
「大丈夫か?」
そしてベッドの隣にある椅子には月宮が座っていた。
「うん…私…」
「バスケのボール当たって倒れたんだよ。ったく、避けろよな。どんくせえ」
どうやら、試合中の流れ玉が運悪く女子コートまで飛んできてたまたま私に命中したらしい。それを見ていた月宮がわざわざ保健室まで運んでくれたのだ。
だけどやっぱり、口の悪さはあの頃と変わらない。
「うん…ありがとう」
「何笑ってんだよ!」
うぎぎ、と照れ臭そうにしている月宮の顔を見て思わず笑ってしまった。
そういえば、月宮は何でここまで運んでくれたんだろう?私のことを許さないって言っていたのに。
だから単刀直入に聞いてみることにした。
「本当に思い出せなくて悪いんだけど、昔私がやった“許せないこと”って何なの?」
「は?」
急に空気が変わって、月宮が冷たい目で私を見下す。
「本当に覚えてないわけ?昔お前が俺にしたこと」
「う、うん…」
鋭い目で睨みつけられて、思わず体が強ばる。
すると、月宮が椅子から立ち上がって寝ている私のベッドへと乗っかってきた。
「ちょっ…」
「は、間抜けなツラ」
顔の両側に腕を下ろし、至近距離で慌てる私をあざ笑う。でも、目だけは全然笑ってない。
「そうやってまた俺をもてあそんで、楽しいか?」
「え…?」
もてあそぶ?私が?いつ?
いつのまにか、手首を捕まれて逃げられない。もがこうとしても、びくともしない。
昔は私の方が強かったのに。
誰か助けてーと思った瞬間、保健室の扉が開く。
「みちる!」
蓮の声が聞こえて、月宮が身を起こす。どうやら保健の先生が荷物を取りに行くついでに蓮に知らせてくれたらしい。
助かった…と思ったのも束の間、カーテンを開いた幼馴染にベッドで男に押し倒されてる姿を見られてしまう。
「よお、久しぶりだな。蓮ちゃん?」
「葉山…?」
いじめっ子といじめられっ子だった二人が、私のせいで最低最悪の再会を果たしてしまうー。