不良男子と私の話。
卒業
卒業式には、私のママとパパはもちろん朝陽も来てくれた。
それに、
湊の親代わりである荒川さんも来ていた。
相変わらず、荒川さんには塩対応の湊だけど…恐らく一番感謝している人だと思う。
再来週には、
施設を卒業して仕事の寮に入る湊。
きっと、荒川さんも考え深いだろうな。
『最近は、私ばっかり湊を占領してすみません』
と、
荒川さんに言うと…
「湊が生き生きしてて、嬉しいです」と言ってくれて嬉しかった。
『ありがとうございます』
「こちらこそ、紗良ちゃんには感謝です。これからもよろしく頼みます」
『こちらこそ』
私は、何もしてない。
逆に湊に幸せにしてもらってる側なのに…
でも、周りから見ても湊が生き生きしてると感じてもらえて嬉しい。
私だけの力ではなく、多分朝陽の力。
朝陽の存在は大きいと思う。
荒川さんは、
1ヶ月ぶりに会った朝陽にデレデレだった。
「1ヶ月でまた大きくなったね」
「きも」
『湊、そう言うこと言わないの』
「やっぱり、湊にそっくり」
『これからどんどん似ますね』
「楽しみだね。ちゃんと顔見せに来いよ」
「たまにね」
『私が連れていきます』
荒川さんとちゃんと話したのは妊娠をした報告をしに行って以来。
毎回毎回、キャラが違くて戸惑う。
どれが、本来の荒川さんかわからない…
後で湊に聞いたけど、どれも違うらしい…