不良男子と私の話。
久しぶりの遠出。
私の家に来るのに、毎回こんなに時間をかけてきてくれていたと思うと湊には感謝をする。
朝陽を妊娠した時に、来た以来。
特に変わっている感じはしなかった…
「お、湊!久しぶりだな。痩せた?」
「少し」
「朝陽くんと…」
『紗良です、お久しぶりです』
「お元気そうで何よりです」
荒川さんが朝陽を抱っこすると施設に響き渡る声で泣いていた。
想像していたけど、笑った。
私たちに助けを求めてたけど、助けずにいたら少し落ち着いて来た。
凄い目は合うけど…
「話ってなに?」
「そう、紗良ちゃんも同席してもらう?」
「何の話?」
「想像通りの話」
「話聞く?」
『え、わかんない…』
「じゃ、待ってて」
突然言われても、心の準備が出来ず別室で朝陽と待っていた。
荒川さんの話を聞くだけだと、いい話ではないのは何となく察する。
湊と弟くんが、
傷つかない話だと願うばかり…