不良男子と私の話。
朝陽は私にべったり。
少しでも離れると大泣きだった…
抱っこ紐なしで、ずっと朝陽を抱っこするのはキツくて…抱っこ紐をセットするのに置いただけでギャン泣きで椅子から落ちた。
低い椅子だったから良かった…
更に大泣きで、落ち着くのに時間がかかった。
久しぶりにわけわからなくなっている朝陽を見て、私も流石に焦った。
自分家だったら、すぐにおっぱいを出して落ち着かせられるけど…こういうところだと難しい。
「すげぇ、泣き声聞こえた」
と、
戻ってきた湊。
ちょうど、朝陽も落ち着いたところだった。
『久しぶりにわけわからなくなった朝陽見て、少し焦った』
「抱っこ変わる?」
『大丈夫、ありがとう』
申し訳なかったけど、私も湊を気遣う余裕がなくて…話を聞けたのが家に帰ってからだった。
帰る直前に、湊の弟くんに会ったけど…
久しぶりに湊に会えて嬉しそうだった。
「あ?」
「朝陽だ!今度、サッカーしような」
「まだ立つ事も出来ないのに、出来るわけねぇじゃん。賢斗がサッカーに飽きたくらいで出来るよ」
「まじ?じゃ、湊とやりたい」
「じゃ、10年後な」
「何でよ!」
「元気でな、帰るよ」
「バイバイ〜仕事がんばってね」
「ありがとうな」
兄弟の会話を聞いていて、少し泣きそうになってしまった。
何で、こうなってしまったんだろう…
湊が産んだ親を羨む理由もわかる気がする。