不良男子と私の話。





『辛いことがあったら言ってね』

「そんな、優しかった?」

『いつでも優しいよ』



と、

笑いかけると再びキスをしてきた。



キスした瞬間、ドアのノックが聞こえ…一瞬にして離れた。




「湊、どこ行ってんだよ!」

と、

入ってきたのは初めて見た男の人。




この人が荒川さん?

湊の親代わりみたいな人かな。





「見つけてくれた方?」

『ぁ、はい』

「さんかく養護施設の荒川と申します。」

『長道です』

「ありがとうございました」

『こちらこそ』

「また次の登校に関しては連絡をさせて頂きます」

「よろしくお願い致します」





湊は、荒川さんが来てからは一言も話す事はなく黙ったまま私の前からいなくなった。


大丈夫かな。

きっと、大丈夫だよね…




これ以上は湊を信じるしかない。






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