不良男子と私の話。




『あと少しで授業始まるから戻ろう』

「うん」




まだ、手を繋いで歩いた事はないけど…どんな気持ちになるんだろう。



キュンキュンが止まらないかな。

この強面な顔の湊が手を繋いで来たらギャップでやられそう。




けど、今は隣にいてくれるだけで充分だな。

手をポケットに突っ込んで歩いている奏。




手を繋ぐ気はなさそう。





『教科書買わないの?』

「家にある」

『ちゃんと持ってきてよ』

「親父にお願いして」

『お父さんのところにあるの?』

「うん」




急に、お父さんの話が出てきて…戸惑う。



本当に、

奏は何も思っていないのかな。




私から、聞くつもりはなかったけど…聞いた方が自分の為なのかなと思ってきた。





自分の事しか考えてない。

そう言われればそうだけど…色々気にしていたら、湊と何の話もできない気がしてきた。








どうすればいいんだろう。




< 81 / 425 >

この作品をシェア

pagetop