不良男子と私の話。
『あと少しで授業始まるから戻ろう』
「うん」
まだ、手を繋いで歩いた事はないけど…どんな気持ちになるんだろう。
キュンキュンが止まらないかな。
この強面な顔の湊が手を繋いで来たらギャップでやられそう。
けど、今は隣にいてくれるだけで充分だな。
手をポケットに突っ込んで歩いている奏。
手を繋ぐ気はなさそう。
『教科書買わないの?』
「家にある」
『ちゃんと持ってきてよ』
「親父にお願いして」
『お父さんのところにあるの?』
「うん」
急に、お父さんの話が出てきて…戸惑う。
本当に、
奏は何も思っていないのかな。
私から、聞くつもりはなかったけど…聞いた方が自分の為なのかなと思ってきた。
自分の事しか考えてない。
そう言われればそうだけど…色々気にしていたら、湊と何の話もできない気がしてきた。
どうすればいいんだろう。