恋人ごっこ幸福論






「それにしても本当に素っ気ないわね~。
ひぃちゃん騒いでいた訳でもないんだしもうちょっと優しくしてくれてもよくない?」


休憩中で近くに居る橘先輩を英美里ちゃんが睨み付けながらそう言う。


「ちょっと、悪口言わないでよ。近くに居るんだから聞こえたら橘先輩嫌な思いするでしょ」

「聞こえるように言ってんのよ。態度改めてもらいたいから」

「そうそう、あの女子の先輩らはコートギリギリに近付いて大声出しているし、まあ怒られてもしゃーないとこあるよ。でもさ、あたしらちゃんと体育館の外から見てんじゃん!マナー守って毎日来ている子にサービス悪くね?悪いでしょ」

「紗英ちゃんまで…2人共、文句言うのやめてよ」

「えーひぃちゃんでも」

「ね、お願い?」



まだまだ言い足りない様子の2人にもう一度お願いする。


「「…はーい」」



顔をお互いに見合わせて、渋々と2人は子供のように返事した。

よかった、この辺りで止めておかないと延々と語りそうだもの。落ち着いてくれて、ホッと安心する。





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