恋人ごっこ幸福論
episode.7
7月半ば某日、今日は一学期の終業式。
「一学期あっという間に終わったわねぇ」
「この前入学したばっかなのに早いね」
期末試験も終わって、季節は本格的に夏に入った。
気が付けば今日で1年生の一学期が終了の日。3か月半の出来事を思い出してしみじみしながら、現在英美里ちゃん、紗英ちゃんと3人で終業式が行われる体育館へ向かっている。
思い返せば、この3か月半はかなり濃い時間だった。
高校入学して無事橘先輩を見つけて、彼に会うためにバスケ部へ通い詰めて。彼女が居ないことを確認できてから毎日話しかけに言ってた時に、菅原先輩が協力してくれたからとりあえず付き合えるようになったんだったよなあ。
付き合ってからも毎日アプローチし続けては橘先輩にはいつも逆に振り回されているけれど。
でもそれはそれで嫌じゃないし、なんだかんだで上手くいきそうな気もしてきたから案外私頑張ってるんじゃない?とも最近思う。
「で、明日から夏休みだけど何して遊ぶ?私行きたいとこ沢山あるんだけど!!」
「英美里ちゃんって常に遊ぶことしか考えてなくね?夏休みつっても補講だらけだしいつも通りだよ?」
「だから限られた休みで遊ぶのよ!さぁちゃんもひぃちゃんも、今年はいっぱい遊ぶわよ!!」
「うん、いっぱい遊ぼうね」
それに、やっぱり今は夏休みが1番楽しみ。
2人や橘先輩と過ごす夏休みは初めてだから、長期休みに思い入れなんてあまりなかったけれど今年は珍しく期待でいっぱいだったりする。
夏休みやりたいことを話しながら、体育館前の渡り廊下まで来た時だった。