恋人ごっこ幸福論



***




「へー、じゃああの子達と仲直り?したんだね」

「そうですね、一応そういうことになるのかも」



終業式の後、簡単なHRだけでお昼前には授業が終わった。

珍しく時間もあるしたまには寄り道しようと、3人でファミレスへ行くと偶然菅原先輩と橘先輩に遭遇したのだ。

せっかくなので、5人でお昼を一緒に食べようということになって、次いでに2人にさっきの出来事を話している。



「そっかそっか、いやー無事謝ってくれて良かったな橘!」

「別にいちいち俺に振らなくていいだろ」

「なーに言ってんだよ!心配してたくせに~!」



なんだか嬉しそうにつついてくる菅原先輩を煩わしそうにしながらコーラを飲む橘先輩を見ていると、あの時先輩女子が言ってたことを思い出す。



「そういえばあの人達が言ってたんですけど…橘先輩が私に謝るよう伝えてくれたんですよね。ありがとうございました」

「別に。そもそも嫌がらせされてたのはそっちだろ」

「そんな!私は自分への嫌がらせはどうでも良かったし」

「どうでも良くはねえだろ」



でも、と言いかけると「これ以上は良いから」と橘先輩にストップをかけられて仕方なく言葉を飲み込む。そんな私達の光景をまじまじと3人が眺めていた。




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