恋人ごっこ幸福論
「あ、菅原先輩と橘先輩みっけ」
「3人共こんばん…って、めっっっちゃくちゃ可愛いね!!!」
その中から早速紗英ちゃんが2人を見つけてくれた。その瞬間、すぐにこっちに気付いた菅原先輩が私達の姿を見て絶叫する。
「でしょでしょー」
「美女3人と回れるなんてラッキーっすよ」
「本当超ラッキー!浴衣女子最高!今日来た価値これだけであるよ!!」
緋那ちゃんは紺の浴衣が落ち着いた雰囲気にあってて最高だね!と私のこともご丁寧に褒めてくれる菅原先輩に苦笑いをする。
ドヤ顔の英美里ちゃん、紗英ちゃんにもそれぞれ褒め言葉をかけまくる菅原先輩は、なんだかとてもご機嫌そうだ。
「菅原先輩…そんなにですか?」
「そりゃ勿論!可愛い女の子の浴衣は興奮するよ!」
前から少しこういうとこあると思ってたけど、今日はまたかなりハイテンションだな…。
「さっきから気持ち悪いわ」
「っっいで!思い切り叩くなよ!」
しばらく大興奮で褒めちぎってくれている菅原先輩を呆然と見つめていると、痺れを切らしたのか。
黙って傍で様子を見ていた橘先輩がゴツン、と菅原先輩の頭を叩いて落ち着かせる。
はあ、と溜息をつく橘先輩の視線がちらっとこっちに移ると、相変わらずキュンとしてしまう。