恋人ごっこ幸福論



***




そしてそんな風に、帰宅してからも朝学校へ行く前も、休み時間にも。

何度も何度も見返すのを繰り返すうちに、昼休みになっても気になっているというわけだった。

今日木曜日だし朝練習行って確認すればよかったな、考えすぎで朝早く起きれなかったのだからそんなこと考えても仕方ないけれど。

もう一度橘先輩に確認した方がいいかもしれない、ということで何か返信してみようと思うのだけれどそれすら送ってもいいものなのかと悩んでいた。



「ひぃちゃん?なんか上の空じゃない」

「え!?そう、かな」



いつの間にか英美里ちゃんが眉をひそめて私を見つめていて、つい驚いて挙動不審になってしまう。



「朝からずっとスマホ見てるよね。緋那ちゃんSNSとかしないし連絡待ち?」

「確かに!なんか深刻なことなの?」



そして紗英ちゃんまでそう尋ねてきて、ますます心配そうに2人で私を見てくる。

深刻、と個人的には言えなくもないが。正直まだ付き合うことになったことにすら確信の持てない状況で2人に相談するのはできない。

昨日もあの後信じられなくてずっと上の空だったから2人が気にするのも分かるけど、ここはとりあえず誤魔化させてもらおう。





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