恋人ごっこ幸福論





「ううん、なんでもないよ!今日のごはんどうしようか決まらなくて困ってただけ」

「そう?ひぃちゃん私らのこと全然頼ろうとしないからなんか心配」

「本当に大丈夫だから…」



あまりスマホばかり見てると2人に心配かけ続けてしまうし、こうなるといつまでも悩んでても仕方ないかもしれない。



「あ、てか予鈴なってんじゃん。やば」



2人に心配そうに見つめられていると、タイミングよく昼休み終了の予鈴が鳴って。


「じゃあしょうがないから席戻るけど、なんかあったらちゃんと言いなさいよね」

「そうそう。あたしら親友じゃん」

「うん。ありがとう」


…よし、もう心を決めて送るしかない。バタバタとクラスメート達が席に着いている間に勇気を出してメッセージを送る。

お、送ってしまった。それだけのことで心臓がバクバクいって緊張している。

とりあえず送ってしまったのだから、暫くこのことは頭の隅に置いておこう。気になってしかたないけれどそのまま画面を閉じると、すぐに鞄の奥深くにスマホを突っ込んだ。







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