世界でたった1人の君へ


「じゃ行こっか」

「うん」


待ち合わせていたすぐ近くのラブホに入り
陸は手馴れた様子で受付を済ませる







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「なぁ榎恋?」

「んー?」


ホテルの部屋に入りベッドにダイブする
私のすぐ側に腰かけた陸が名前を呼んだ

「いつになったら俺と付き合ってくれる?」


言われ慣れたその質問


「わかんない」

返事を濁すと陸の表情が歪む
胸が少し痛い


「そっか。シャワー浴びてくる」

そう言って陸はバスルームへ入っていった


陸の気持ちはよく分かってる。
何度も告白されたし
何度もさっきと同じ質問をされた

でも付き合えない
自分の気持ちに蓋をするって決めたから


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