掟 ( 1 )
シーン

「ね、ねえ。〝罰〟って何?」

「迎えに来たって何?」

「お姉さんいたの?」

「ねぇ、僕たちに何を隠しているの?」

「……」

「落ち着け。」

「始。落ち着いて私たちにお話して下さい」

「……うん。」

ふぅぅー。

「俺の家は、組であり財団でもあった。

昔から若頭、時期副社長と言う

運命が決まってた。

それは姉さんも同じだった。

昔から悩んでいた俺の相談相手は

姉さんだけだった。

姉さんは、俺の事を助けてくれたり

俺に喧嘩を教えてくれたのも姉さんだ。

姉さんがいたから我慢して、生きて

来れた。でもある日、お前たちと

あったんだ。」

「え?俺たちと?」

「直接的にあったんじゃない。

みんながバイクで走ってる時に、ね。

その時俺は思った。

俺もあんな風に楽しく

バイクに乗りたい。

でも、そんなことしたら掟を破ることに

なってしまう。

掟を破ったらあとは絶望と恐怖しか

残らない。

この家を飛び出したら姉さんに全ての

負担がかかる。そう思った。

でも、でもある日!!

父さんがこう話してたんだ。

始には、この組はたくせられないな、と。

その後姉さんは、否定してくれた。

でも、その時思ったんだ。

それなら、出ていってもいいじゃんって。」

「黙って?」

「うん。そしたら偶然お前たちとあった」

「奇跡だね。」

「本当に。奇跡だよ」

「お姉さんは、始の事を許してないのかな?」

「姉さんは、父さんに逆らえない。」

「お姉さんは、しょうがなく始の事を
とらえに来たのか?」

「うん。多分。」

「お姉さんは、お姉さんで可愛そうね。」





「もう5時だね。」

「離れるのやだな〜」

「しばらく会えないだろうな〜」

「手紙、あげる?」

「おう!」

「それはできないんだ」

「え?」

「外との関わりを全て切断されるんだ。」

「それじゃ、もう……」

「うん」



「始」

「姉さん」

「時間よ。外で車が待っているわ」

「うん」

「さぁ、行くわよ」

「ばいばい、みんな」




ザワザワ

「は、始さん?」

「そのひとは?」

「お前たち今までありがとな」

「え?」


バタン
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