ファイヤークイズ午後の部
《いいペースですね! 次の回答者は川野佐和さんです!》
名前を呼ばれると、どうしてもビクリと体が震えてしまう。
モニター越しに見ていた時もそうだった。
次の回答者が呼ばれる度に、ビクビクしてしまった。
《さっそく大切なものを見て見ましょう!》
アナウンスがそう言い、ステージ上にテーブルが上がって来る。
テーブルの上に無造作に乗せられたそれを見た瞬間、「あ……」と、小さく呟いていた。
クリーム色の手袋が、白いテーブルの上で寂しそうにうつむいている様子が見えた。
うつむいた手袋はそのまま祖母の姿をだぶる。
祖母の、手作りの手袋だった。
これが燃えてしまうなんて絶対に嫌だった。
あたしはゴクリと唾を飲み込んで、背筋を伸ばす。
名前を呼ばれると、どうしてもビクリと体が震えてしまう。
モニター越しに見ていた時もそうだった。
次の回答者が呼ばれる度に、ビクビクしてしまった。
《さっそく大切なものを見て見ましょう!》
アナウンスがそう言い、ステージ上にテーブルが上がって来る。
テーブルの上に無造作に乗せられたそれを見た瞬間、「あ……」と、小さく呟いていた。
クリーム色の手袋が、白いテーブルの上で寂しそうにうつむいている様子が見えた。
うつむいた手袋はそのまま祖母の姿をだぶる。
祖母の、手作りの手袋だった。
これが燃えてしまうなんて絶対に嫌だった。
あたしはゴクリと唾を飲み込んで、背筋を伸ばす。