ファイヤークイズ午後の部
そう思っていると、せり上がって来たテーブルには一冊のファイルが置かれていた。


なにあれ。


一見するとどこにでも売ってあるファイルだ。


でももしかすると、高級品なのかもしれない。


そう思っていると、浩二が青ざめるのが見えた。


さっきはすぐに気分を切り替えてクイズに望んでいたのに、今回はうまくいかないようで俯いている。


明かな変化にこっちの方が戸惑ってしまう。


一体どうしたんだろう。


《ではクイスです! このファイルの中身は何ですか?》


その質問に、あたしは再びファイルへ視線を移動させた。


ファイル自体ではなく、その中身が大切なものみたいだ。


見たところそんなに分厚くないし、ギターの楽譜だろうか?
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