ファイヤークイズ午後の部
「……言えない」


え?


震える声で浩二がそう言ったのを、あたしは瞬きをして見ていた。


今、言えないって言った?


「回答を拒否しても、どうせ答えはバレるんだよ?」


あたしは思わずそう言っていた。


午前の部を見ていたんだからわかるはずだ。


回答を拒否することは無意味なことだって。


浩二は一瞬こちらへ視線を向けたが、すぐにそらせてしまった。


「おい、答えろよ!!」


そう言ったのは一真だ。


なぜだか一真も青ざめている。
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