ファイヤークイズ午後の部
「もしかして、そのファイルについて一真もなにか知ってるの?」


そう聞くと、一真は気まずそうな表情になって頷いた。


一真も知っているとなると、楽譜のような単純なものじゃなさそうだ。


「何か良くない物なんだね?」


「そう、あのファイルは――」


一真がそこまで言った時だった、途端にスピーカーからサイレンのような音が聞こえ始めて、一瞬身をすくめた。


《はいそこまで~。回答者以外の人の回答は認めていませんよ》


注意するためだったようで、ホッと胸をなで下ろした。


《さぁ、そろそろ回答をお願いしましょうか》


一真はジッと浩二を見ている。


浩二は額に脂汗を浮かべて苦悩しているのがわかった。


きっと、熱さのせいだけじゃない。
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