ファイヤークイズ午後の部
「あっそ。どうせろくでもない個人情報なんでしょ」


友香は挑発するようにそう言って含み笑いを浮かべた。


気まずい空気が漂い始める。


しかし、浩二は友香の言葉を無視した。


《では、次の回答者は金石一真さんです!》


一真は何度か瞬きをして息を吸い込んだ。


熱のせいで眼球まで乾いて来ていた。


《まずは大切なものを見て見ましょう!》


アナウンスはそう言うが、浩二のターンで使われていたファイルがテーブルに置かれたままだ。


テーブルも下降していかない。


なにかあったんだろうか……。


そう思って見ていると《どうやら、大切な物は変更なしですね!》と、アナウンスが言った。


「どういうこと?」
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