ファイヤークイズ午後の部
隣の友香が呟くのが聞こえて来た。


あたしは口からゆるゆると息を吐きだす。


「骨壺だよね……?」


友香の質問に、あたしは頷いた。


同時に思い出す。


祖母の優しい笑顔。


シワシワの手であたしの頭を撫でてくれたこと。


お手玉を教えてくれた小学生時代のこと。


一緒にお餅つきをした年末のこと。


『寒くなってきたからね』そう言って、クリーム色の手袋を編んでくれたときのこ


と……。


ジワリと目の奥が熱くなった。


カラカラに乾いているのに、まだ涙は残っていたようだ。
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