ファイヤークイズ午後の部
拘束されていなければ、炎に向かって思いっきり吐けるのに。


《正解です! いやぁ、これは辛かったですねぇ》


アナウンスのひょうひょうとした声が、余計に吐き気を感じさせた。


「もういいじゃん。次はあたしでしょ!?」


あたしは今そうとうヒドイ顔をしているのだろう。


友香があたしを庇うようにそう言ってくれた。


《そうですね。それでは次の回答者は星田友香さんです!》


順番が変わると、途端に気が抜けてしまいそうになる。


拘束具に体重をゆだね、あたしはガックリと頭をたれた。


全身が気だるくて、呼吸もままならない感じがする。


熱とストレスで、頭がおかしくなりそうだ。


《まずは大切なものです!》
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