ファイヤークイズ午後の部
「なぁ、本当にお前はなにも知らないのか? このクイズのグルじゃないのかよ」


浩二があたしへ向けてそう聞いて来たので、慌てて左右に首を振った。


「そんなわけないでしょ! 転校して来て、みんなのことだってまだよくわかってないのに!」


あたし1人が浮いていることは、もう十分わかっていた。


「だけど、佐和1人だけ裏がないよね」


友香が疑いの目をあたしへ向ける。


「そんなこと言われたって……」


知らないものは知らないのだから、仕方ない。


拘束された状態で、あたしは自分は敵じゃないと証明する術がなかった。


「まぁいっか。このクイズが終ったらなにもかもわかるってことだしな」


浩二はそう言ったが、その目はあたしを睨み付けたままだった……。
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