ファイヤークイズ午後の部
「あんたは今人質だ。素直に話さないと死ぬぞ」


浩二がそう言って脅すと、男はまた黙り込んでしまった。


「最低」


友香が言う。


「お前に言われたくねぇよ。お前だって詐欺師だろうが」


浩二の言葉に友香が更に言い返そうとしたので、あたしが止めた。


「もうやめて!」


ここにいるメンバーが最低であることは、もう十分理解した。


余計な言い争いで時間と体力を使いたくない。


《では、どんどん行きましょう! 次の回答者は金石一真さんです!》


一真は表情を変えずにステージ上を見つめている。


さきほどまでいた男はテーブルと共に下降し、いなくなっている。


次はなんだろう?
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