ファイヤークイズ午後の部
《それではさっそく大切な物を見てみましょう!》


そう言って出て来たのは、テーブルに座った東野海だった。


浩二のバイトの上司で、詐欺師の男。


「またあんたかよ……」


浩二の声が震えた。


2度も同じ人物が出て来るということは、相当重要人物ということなのだろう。


東野の方はもう浩二の方を見ようともしていない。


自分の立場が理解できたのかもしれない。


《ではクイズです! 個人情報の入手経路は!?》


その質問に浩二が大きく息を吐きだしたのがわかった。


この問題にも東野が関わっていそうだ。


「……クラスメートの名簿から」


え……。
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