ファイヤークイズ午後の部
あたしは瞬きをして浩二を見た。


「あたしの個人情報も売ったの!?」


友香が叫ぶ。


しかし、浩二は答えなかった。


《正解です! クラスメートの個人情報なんて、いとも簡単に手に入る。それを売るのは手っ取り早かったでしょうねぇ》


アナウンスの声は浩二、そして海、それから一真へ向けられているようだった。


でも、ちょっと待って?


自分の中でなにかが引っかかった。


「個人情報って、あたしのは……?」


あたしは転校生だ。


つい一週間前に転校してきたばかりで、その時丁度祖母が自殺して……。


「ねぇ、あたしの個人情報は!?」


自分でも想像していなかったくらい大きな声が出ていた。
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