ファイヤークイズ午後の部
嫌な予感がかけめぐる。


そんなハズない。


そんなバカな話があるはずがない!


でも……でも、あたしの祖母が自殺をしたのは……。


《では、次の回答者!》


あたしの思考回路はまたしても遮られた。


あたしはジッと浩二を見つめる。


しかし、浩二はうつむいたまま顔をあげない。


まるで、あたしの視線から逃れようとしているように見えた。


《金石一真さんです! では、大切なものを見て見ましょう!》


そう言って出て来たのは夏子だった。


夏子の頬は涙で濡れていて、憔悴しきっているように見える。
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