ファイヤークイズ午後の部
可愛そうだったけれど、もうそれ所じゃなかった。


あたしは関係ないと思っていた。


あたしは転校生だから。


あたしだけ異質だから。


ここへ来てからずっとそう思っていた。


だから、クイズをしながらもどこか遠くにいる感覚だった。


あたしには、兄の存在以外に後ろめたいものもなにもない。


でも……違った。


あたしこそが、ここにいるべき人間だったんだ!


《それではクイズ! あなたが個人情報を流出させたのは、いつ?》


その質問に、あたしの心臓が大きく跳ねた。
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