【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
 三人掛けのカウチソファにのっかったルルは、ノアの腕のなかにいた。彼は、手を伸ばして器用にケーキをすくうと、胸にのせた子猫に餌をあげるように、ルルの口元に運ぶ。

「どうぞ、お召し上がりください」
「えっと……ありがとう」

 一口分をパクリと口に入れる。ケーキの美味しさにほっぺを抱えるルルを、ノアは幸せそうに見つめている。これが二人にとっては毎日のこと。

 また、お昼寝するために安心できる場所を探し歩いているとき――。

 博士の部屋に入ると、書棚のそばで革張りの本をひらいていたノアが顔を上げた。彼は、片手に本をもったままベッドに腰かけて、自分の太ももをとんとんと叩く。
 
「ルルーティカ様、どうぞこちらへ」
「うんと……ありがとう?」

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