【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
 人知れず、巣ごもり体勢になるのを堪えていると、ジュリオ側に座ったマキャベルまでも口撃してきた。

「ジュリオ殿下ほど、人望のある聖王候補はおりませんよ。フィロソフィーの王族は代々、持ち前の神々しさで民の目をくらませてきたのです。見た目だけの聖王なので、治政は枢機卿団に丸投げでした。そろそろ無能を王に奉り立てるのは聖教国フィロソフィーのためにも止めるべきかと」

「ルルーティカ王女は世間知らずだと噂になるくらいだしね。聖王になっても国民を不安にさせるだけだろう。身のほどを知って、候補から下りたらいいのに。あ、無能だから引くタイミングが分からないのかな?」

 ジュリオは、あからさまにルルを卑下してきた。
 各テーブルでも、同様の『ルルーティカ王女はダメ』ムーブのまっ最中である。
 どうしたものかと思っていると、テーブルの端に座っていた司教が立ち上がり、ルルとジュリオのテーブルの前に来て、ひざまずいた。

「マロニー地区の教会から参りました。ルルーティカ王女殿下が、世間知らずの無能扱いされていることに、異議を申し立てたく存じます。どうか発言をお許しください」
< 141 / 295 >

この作品をシェア

pagetop