【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
「ですから、私はもう聖騎士団の一員ではありません」
こともなげに言って、騎士は金貨を握りしめる。
「私は、保護者を亡くしたのをきっかけに、寮のある聖騎士養成学校に入りました。寮での食費や学費は、将来的に聖騎士になることを条件に、聖王がめんどうを見てくださいます。卒業時にイシュタッド陛下への忠誠を誓わされましたが、当人が行方不明ですから、もう知ったこっちゃないです。『やる気!元気!勇気!』が合い言葉の男にかしずくなんて、不本意でしたし」
クールな見た目に反して、本音をずけずけ言う騎士だ。よほどイシュに仕えるのが嫌だったのだろう。清々した顔をルルに向けてくる。
「私が心からお仕えするのは、ルルーティカ様だけと決めていました。貴方がこそが次の、いいえ、聖教国フィロソフィーの正当なる聖王となられるお方です」
たしかにルルには王位継承権がある。
兄にはまだ子どもがいないからだ。
だからといって、騎士がここまで自分を崇拝する理由にはならない。
そもそも、ルルはこんな騎士とは会ったことも話したこともないのだから。
「あなたは何者なの。名前は?」
「ノワール・キルケシュタインと申します。ノアとお呼びください」
「ノア」
こともなげに言って、騎士は金貨を握りしめる。
「私は、保護者を亡くしたのをきっかけに、寮のある聖騎士養成学校に入りました。寮での食費や学費は、将来的に聖騎士になることを条件に、聖王がめんどうを見てくださいます。卒業時にイシュタッド陛下への忠誠を誓わされましたが、当人が行方不明ですから、もう知ったこっちゃないです。『やる気!元気!勇気!』が合い言葉の男にかしずくなんて、不本意でしたし」
クールな見た目に反して、本音をずけずけ言う騎士だ。よほどイシュに仕えるのが嫌だったのだろう。清々した顔をルルに向けてくる。
「私が心からお仕えするのは、ルルーティカ様だけと決めていました。貴方がこそが次の、いいえ、聖教国フィロソフィーの正当なる聖王となられるお方です」
たしかにルルには王位継承権がある。
兄にはまだ子どもがいないからだ。
だからといって、騎士がここまで自分を崇拝する理由にはならない。
そもそも、ルルはこんな騎士とは会ったことも話したこともないのだから。
「あなたは何者なの。名前は?」
「ノワール・キルケシュタインと申します。ノアとお呼びください」
「ノア」