【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
ノアは、一角獣《ユニコーン》のようには、純粋に人を慕えない。
相手は聖王になるべき崇高な存在だ。距離は保って当然で、いくら愛らしい人間だからといって、ここまで肩入れするつもりはなかった。
自省しなければ自分に跳ね返ってくると自覚していたのに。
接触を避けて思いを鎮めようとしたのに。
なけなしの努力は、手を伸ばされた瞬間に弾けてしまった。
ノアは、手袋を外して、ルルの顔に落ちた髪を耳にかけた。
ぼんやりした輪郭を残して透けた手は、ほとんど消えかかっている。
自業自得だ。本性のおきてを破っているのだから。
「好きです、ルルーティカ様……」
彼女には聞こえないと分かっていて、口にする。
届かなくてもいい。ただ、自分に認めさせたかった。
抗えない愛しさが凶器になったとして、破滅するのは自分だけだ。
姿を保てなくなって、そばにいられなくなるまで、ノアはルルを愛し尽くそうと誓ったのだった。
相手は聖王になるべき崇高な存在だ。距離は保って当然で、いくら愛らしい人間だからといって、ここまで肩入れするつもりはなかった。
自省しなければ自分に跳ね返ってくると自覚していたのに。
接触を避けて思いを鎮めようとしたのに。
なけなしの努力は、手を伸ばされた瞬間に弾けてしまった。
ノアは、手袋を外して、ルルの顔に落ちた髪を耳にかけた。
ぼんやりした輪郭を残して透けた手は、ほとんど消えかかっている。
自業自得だ。本性のおきてを破っているのだから。
「好きです、ルルーティカ様……」
彼女には聞こえないと分かっていて、口にする。
届かなくてもいい。ただ、自分に認めさせたかった。
抗えない愛しさが凶器になったとして、破滅するのは自分だけだ。
姿を保てなくなって、そばにいられなくなるまで、ノアはルルを愛し尽くそうと誓ったのだった。