【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
滞在記録に書かれた『ルルーティカ・イル・フィロソフィー』のサインを再度見て仰天するおばさんに、ルルは悠然と微笑んで見せた。
「ここに泊まっていることは、ご内密にお願いいたしますわ」
尖塔をいだく教会は立派だが寂れていた。観光客もまばらで空気が淀んでいる。
ルルが聖堂に入っていくと、早々に若い司教に止められた。
「あんた、勝手に入ってきたらダメだよ。許可とってもらわないと」
「カントを立つ前にお手紙を出しましたが、届きませんでしたか?」
「手紙?」
ルルは、レースの扇を握った手に手を重ねて、背筋をピンと伸ばす。だらしない私生活を匂わせては、はったりがきかなくなってします。
「ユーディト地区の教会を慈善訪問いたしますと記した手紙です」
「ここに泊まっていることは、ご内密にお願いいたしますわ」
尖塔をいだく教会は立派だが寂れていた。観光客もまばらで空気が淀んでいる。
ルルが聖堂に入っていくと、早々に若い司教に止められた。
「あんた、勝手に入ってきたらダメだよ。許可とってもらわないと」
「カントを立つ前にお手紙を出しましたが、届きませんでしたか?」
「手紙?」
ルルは、レースの扇を握った手に手を重ねて、背筋をピンと伸ばす。だらしない私生活を匂わせては、はったりがきかなくなってします。
「ユーディト地区の教会を慈善訪問いたしますと記した手紙です」