【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
シスター長がカーテンを開けながら声をかけると、包みがもぞもぞと動いて毛布から顔だけが飛び出した。
「おはよう、シスター・ケイト……。もうそんな時間なのね。昨日はついつい経理に熱が入っちゃって、気づけば朝方だったから、まだ眠い……」
ルルーティカ――ルルは、聖教国フィロソフィーの王女ながら修道院住まいだ。
五才で修道の門をくぐって以降、他のシスターと同様に祈りと奉仕の精神で暮らしてきた。
シスター達にとって、聖教国の王族といえば、崇拝する神に近い存在だ。
同じ部屋で寝泊まりはおそれおおいという理由で、ルルは拝礼室をまるごと一つ与えられている。
王族に掃除や雑用はさせられないということで、十五才になった昨年、ようやく与えられた職が『経理』だった。
いくら清貧をかかげて暮らしていても、食料品や生活用品の一部はお金を払って購入しなければならない。
人を疑うことのないシスターは、利益重視の商人にとってはかっこうのえじき。
前の月の二倍の値段で売りつけられそうになったり、お釣りを少なく渡されたりはしょっちゅうなので、出入金を記録してこまめに照らし合わせることが大事だ。
「シスター・ケイト。見てよ、これ!」
「おはよう、シスター・ケイト……。もうそんな時間なのね。昨日はついつい経理に熱が入っちゃって、気づけば朝方だったから、まだ眠い……」
ルルーティカ――ルルは、聖教国フィロソフィーの王女ながら修道院住まいだ。
五才で修道の門をくぐって以降、他のシスターと同様に祈りと奉仕の精神で暮らしてきた。
シスター達にとって、聖教国の王族といえば、崇拝する神に近い存在だ。
同じ部屋で寝泊まりはおそれおおいという理由で、ルルは拝礼室をまるごと一つ与えられている。
王族に掃除や雑用はさせられないということで、十五才になった昨年、ようやく与えられた職が『経理』だった。
いくら清貧をかかげて暮らしていても、食料品や生活用品の一部はお金を払って購入しなければならない。
人を疑うことのないシスターは、利益重視の商人にとってはかっこうのえじき。
前の月の二倍の値段で売りつけられそうになったり、お釣りを少なく渡されたりはしょっちゅうなので、出入金を記録してこまめに照らし合わせることが大事だ。
「シスター・ケイト。見てよ、これ!」