【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
「どうしよう、渡せるものを持っていないわ。金貨を入れていた袋は、逃げるときに放り投げてしまったもの」
「金貨は、もういりません。私がルルーティカ様からもらいたいのは、金貨ではないのです」
「それはなに? わたしは、なにを渡したらいいの?」
無垢な表情で見つめられて、ノアは困ってしまった。
「…………もらえません。もらったら、貴方が無くなってしまう」
見つめ合う二人の間を、強い海風が間を通りすぎた。ルルの銀色の髪を吹き散らした風は、崖に当たって上へと抜けていく。
薄い青の絵の具を刷いたような一面の空を、真白い一角獣が飛んでいった。
どんどんと高度を上げて、砂浜に落とした砂粒のように見えなくなる。
朝の風に乗って、天空に帰るのだろう。
「金貨は、もういりません。私がルルーティカ様からもらいたいのは、金貨ではないのです」
「それはなに? わたしは、なにを渡したらいいの?」
無垢な表情で見つめられて、ノアは困ってしまった。
「…………もらえません。もらったら、貴方が無くなってしまう」
見つめ合う二人の間を、強い海風が間を通りすぎた。ルルの銀色の髪を吹き散らした風は、崖に当たって上へと抜けていく。
薄い青の絵の具を刷いたような一面の空を、真白い一角獣が飛んでいった。
どんどんと高度を上げて、砂浜に落とした砂粒のように見えなくなる。
朝の風に乗って、天空に帰るのだろう。