【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
 集まった司教たちの間を一直線に駆けたのは、黒い騎士服をまとったノアだ。腰に差していた剣を抜いて、一閃をジュリオのマントに浴びせる。

「なにをするんだ?!」

 風圧でめくれあがったマントの内側には、膨大な数の魔晶石が、一角獣の頭から折られたそのままの形でくくりつけられていた。

「――ものものしい装いをしていらっしゃいますね。ジュリオ王子殿下」

 ざわつく司教たちの端で、一人の少女が立ち上がった。
 銀の刺繍が美しい白いドレスに、透明な宝石に彩られたベールを被っているのは、世にも美しい少女だった。

「ルルーティカ王女!? 崖から落ちたと聞いていたのに、どうしてここにっ!」
「聖教国フィロソフィーの王族は、一角獣に守られていますのよ」

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