【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
41 一角獣に選ばれてしまいました
「早まるのはお止めなさい、マキャベル殿!」
大聖堂にルルの声が響く。高い天井に反響していくつも重なった声は、遠吠えのように屋外へと抜けていった。
罪人の命をも平等にたっとぶルルが眩しかったのだろう。マキャベルは、すっかり老獪《ろうかい》して歪みきった眼をつぶる。
「この国では、重罪をおかしたものは、死ぬまで刑務所から出られない。私が生きつづける理由などない。それならばいっそ、聖教国フィロソフィーが代々守ってきた歴史に名を残して死ぬが本望……」
マキャベルの腕に力が入る。首筋に刃が当たり、つうっと血が垂れた。
「死んではなりません!」
ルルが絶叫したそのとき。蹄が土を踏む音が聞こえた。
大聖堂にルルの声が響く。高い天井に反響していくつも重なった声は、遠吠えのように屋外へと抜けていった。
罪人の命をも平等にたっとぶルルが眩しかったのだろう。マキャベルは、すっかり老獪《ろうかい》して歪みきった眼をつぶる。
「この国では、重罪をおかしたものは、死ぬまで刑務所から出られない。私が生きつづける理由などない。それならばいっそ、聖教国フィロソフィーが代々守ってきた歴史に名を残して死ぬが本望……」
マキャベルの腕に力が入る。首筋に刃が当たり、つうっと血が垂れた。
「死んではなりません!」
ルルが絶叫したそのとき。蹄が土を踏む音が聞こえた。