【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
それで、あの五軒目だ。
巣ごもり生活で、体力が限界まで落ちたルルにとっては、険しい山脈に登るようなキツい道のりである。
「はやくおうちに帰りたい……」
「ルルーティカ様は体力がなさすぎですね。昼には早いですが食事にしましょう」
買い物袋を抱えたノアは、店を探すために立ち止まった。
人波より頭一つぶん大きな彼を、行き交う女性がチラリと見ていく。
チョコレート店の前でたむろする少女たちは、「あの黒い服の男の子かっこいい」と騒いでいる。
「みんな、ノアが綺麗だから見ていくのね。お屋敷についてから黒ばっかり着てるのは自分に似合うから?」
「単純に好きだからですね。私は、聖騎士団の白い団服が嫌でたまらなかったんです。あれは偽善の色ですから。ルルーティカ様が王座についた暁には、団服は黒に変えてください」
「はいはい。王座についたらね」
適当にあしらうルルは、通りの向こうにある店に目を止めた。緑色のオーニングが通りにせり出したパン屋だ。店のまえにテラス席がある。
とにかく一度座りたいルルには、王座より魅力的に見えた。
「あそこがいい」
巣ごもり生活で、体力が限界まで落ちたルルにとっては、険しい山脈に登るようなキツい道のりである。
「はやくおうちに帰りたい……」
「ルルーティカ様は体力がなさすぎですね。昼には早いですが食事にしましょう」
買い物袋を抱えたノアは、店を探すために立ち止まった。
人波より頭一つぶん大きな彼を、行き交う女性がチラリと見ていく。
チョコレート店の前でたむろする少女たちは、「あの黒い服の男の子かっこいい」と騒いでいる。
「みんな、ノアが綺麗だから見ていくのね。お屋敷についてから黒ばっかり着てるのは自分に似合うから?」
「単純に好きだからですね。私は、聖騎士団の白い団服が嫌でたまらなかったんです。あれは偽善の色ですから。ルルーティカ様が王座についた暁には、団服は黒に変えてください」
「はいはい。王座についたらね」
適当にあしらうルルは、通りの向こうにある店に目を止めた。緑色のオーニングが通りにせり出したパン屋だ。店のまえにテラス席がある。
とにかく一度座りたいルルには、王座より魅力的に見えた。
「あそこがいい」