【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
騎士に引っ張られて、ルルは立たせられた。運動不足と疲れのせいで踏ん張りがきかないのだ。
抵抗もできないので、せめて顔だけは見られまいと顔を伏せる。
(怖い)
強く思ったそのとき、「うわっ」と悲鳴をあげて騎士の手が離れた。
「――触れるな」
ノアの低い声がした。
肩を抱き寄せられたルルは、気づけば彼の胸元に顔を押しつけていた。
「この方こそ私の主。無礼な真似をしたら許さない」
「なんだよ。ふざけただけだろ」
凄んだ顔で睨みつけられた騎士たちは、興を削がれた顔で去って行く。
騎士の姿が見えなくなって、ようやくノアは腕を解いた。
「もう大丈夫です。つぎは、私も見つからないように変装します。……ルルーティカ様?」
「な、なんでもないわ!」
ノアに顔を覗きこまれたルルは、そそくさと距離をとってストールを頭から被った。
守ってもらえて助かった。心から感謝しておわりのはず。
それなのに。
(どうしてときめいてるの、わたしは)
ノアに心を奪われたと認めたくなくて、ルルはお屋敷に帰り着くまで一口もしゃべらなかった。
抵抗もできないので、せめて顔だけは見られまいと顔を伏せる。
(怖い)
強く思ったそのとき、「うわっ」と悲鳴をあげて騎士の手が離れた。
「――触れるな」
ノアの低い声がした。
肩を抱き寄せられたルルは、気づけば彼の胸元に顔を押しつけていた。
「この方こそ私の主。無礼な真似をしたら許さない」
「なんだよ。ふざけただけだろ」
凄んだ顔で睨みつけられた騎士たちは、興を削がれた顔で去って行く。
騎士の姿が見えなくなって、ようやくノアは腕を解いた。
「もう大丈夫です。つぎは、私も見つからないように変装します。……ルルーティカ様?」
「な、なんでもないわ!」
ノアに顔を覗きこまれたルルは、そそくさと距離をとってストールを頭から被った。
守ってもらえて助かった。心から感謝しておわりのはず。
それなのに。
(どうしてときめいてるの、わたしは)
ノアに心を奪われたと認めたくなくて、ルルはお屋敷に帰り着くまで一口もしゃべらなかった。