【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
「修道院で暮らしていたからと言って、勝手に王位継承の意思なしと見なされては困ります。わたしのもとへ兄の失踪を報せにきたのは、聖騎士団を出奔して駆けつけたノワール・キルケシュタインただ一人。彼が来なければ、わたしは兄がいなくなったことも、聖王がすげ替えられたことにさえ気づかず暮らしていたでしょう。せめて、わたしに王位継承の意思をお尋ねになってから、こういった会を開くべきだったのではありませんか?」
枢機卿団を見上げると、マキャベルが悔しげな顔つきで髭を引いていた。
「ルルーティカ王女殿下の意思の確認に、不備があったのは認めましょう……。ですが、我らは、修道院に長くお籠もりで世間にうとい王女殿下に、聖王がつとまるのかと不安視しております。何も知らせずに、穏やかに暮らされていった方が、王女殿下のためになるのではないかと」
「ご心配は無用ですわ。国民には知らされていなかったようですが、わたしは修道院で聖王になるための学問を修得しておりました。閉ざされた環境って、集中できるんですのよ」
大嘘を吐いたルルーティカは、大聖堂に向かって広く宣言した。
「ルルーティカ・イル・フィロソフィーは、王位継承権を放棄しません。ジュリオ・ヘレネー・ガレアクトラ第四王子殿下と、どちらが次なる聖王にふさわしいか、兄の捜索をつづけながらの検討を求めます!」
強く意思表明したことで、この場でのジュリオへの聖王内定は下されなかった。
そして、議会は何も決定できないまま解散することになったのである。
枢機卿団を見上げると、マキャベルが悔しげな顔つきで髭を引いていた。
「ルルーティカ王女殿下の意思の確認に、不備があったのは認めましょう……。ですが、我らは、修道院に長くお籠もりで世間にうとい王女殿下に、聖王がつとまるのかと不安視しております。何も知らせずに、穏やかに暮らされていった方が、王女殿下のためになるのではないかと」
「ご心配は無用ですわ。国民には知らされていなかったようですが、わたしは修道院で聖王になるための学問を修得しておりました。閉ざされた環境って、集中できるんですのよ」
大嘘を吐いたルルーティカは、大聖堂に向かって広く宣言した。
「ルルーティカ・イル・フィロソフィーは、王位継承権を放棄しません。ジュリオ・ヘレネー・ガレアクトラ第四王子殿下と、どちらが次なる聖王にふさわしいか、兄の捜索をつづけながらの検討を求めます!」
強く意思表明したことで、この場でのジュリオへの聖王内定は下されなかった。
そして、議会は何も決定できないまま解散することになったのである。