【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
9 聖女ときどき毛玉
高らかに意思表明をしたルルは、聖王城の東塔へ入るなりヘロヘロと縮んだ。
「疲れた……」
修道院で寝て起きて寝るだけの巣ごもり生活を送ってきた身には、たとえ十五分であろうと『ご立派なルルーティカ王女殿下』を演じるのは大変だった。
背すじをまっすぐ保つのも、お腹の底から声を出すのも、体力がいる。
丸くなって眠るときには使わない筋肉がさっそく悲鳴をあげていた。
「もう無理……お昼寝する……。ノア、毛布を……」
「新しく買ったものと、ルルーティカ様お気に入りのばっちいのがありますが」
「ばっちいって言わないでくれる。ちゃんとお洗濯してるんだから!」
ルルは、お気に入りの方を受け取ると、ベールとティアラを外してソファの上で包まった。頭まですっぽりと毛布を被って丸くなると心が安らぐ。
「ほっとする……。やっぱりわたしには真人間なんて無理」
「そうしていると毛玉にしか見えません。寝るなら横になってはいかがですか?」
「疲れた……」
修道院で寝て起きて寝るだけの巣ごもり生活を送ってきた身には、たとえ十五分であろうと『ご立派なルルーティカ王女殿下』を演じるのは大変だった。
背すじをまっすぐ保つのも、お腹の底から声を出すのも、体力がいる。
丸くなって眠るときには使わない筋肉がさっそく悲鳴をあげていた。
「もう無理……お昼寝する……。ノア、毛布を……」
「新しく買ったものと、ルルーティカ様お気に入りのばっちいのがありますが」
「ばっちいって言わないでくれる。ちゃんとお洗濯してるんだから!」
ルルは、お気に入りの方を受け取ると、ベールとティアラを外してソファの上で包まった。頭まですっぽりと毛布を被って丸くなると心が安らぐ。
「ほっとする……。やっぱりわたしには真人間なんて無理」
「そうしていると毛玉にしか見えません。寝るなら横になってはいかがですか?」