【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
11 二人暮らしはときめきの連続です
「これが、ノアの言っていた強い魔晶石……」
キルケシュタイン邸の食堂室の中央。見上げるくらい大きなガラスケースに入れられているのは、根元から折れた一角獣《ユニコーン》の角だ。
色は黒っぽく、黒瑪瑙《くろめのう》の原石のように白い結晶がマーブル模様を描いている。
形も特徴的で、キルケゴールのように額からまっすぐ伸びる角とは異なり、ゴツゴツした渦巻き状だ。羊の角にも似ている。
「悪寒を感じるのは力が強いせいかしら……」
「その角が、一角獣のものではないからです」
腕をさするルルに、食堂室に入ってきたノアが声をかけた。手にかかえた銀盆には、湯気の立つティーカップが二つのせられている。
「それは『一角獣の王』と言われている二角獣《バイコーン》の角です。聖なる気を宿した一角獣とは対照的に、邪な気を宿しています。キルケシュタイン博士は、実地調査のさいちゅうに遭遇して、片方の角を折って屋敷に持ち帰ったそうです」
キルケシュタイン邸の食堂室の中央。見上げるくらい大きなガラスケースに入れられているのは、根元から折れた一角獣《ユニコーン》の角だ。
色は黒っぽく、黒瑪瑙《くろめのう》の原石のように白い結晶がマーブル模様を描いている。
形も特徴的で、キルケゴールのように額からまっすぐ伸びる角とは異なり、ゴツゴツした渦巻き状だ。羊の角にも似ている。
「悪寒を感じるのは力が強いせいかしら……」
「その角が、一角獣のものではないからです」
腕をさするルルに、食堂室に入ってきたノアが声をかけた。手にかかえた銀盆には、湯気の立つティーカップが二つのせられている。
「それは『一角獣の王』と言われている二角獣《バイコーン》の角です。聖なる気を宿した一角獣とは対照的に、邪な気を宿しています。キルケシュタイン博士は、実地調査のさいちゅうに遭遇して、片方の角を折って屋敷に持ち帰ったそうです」