【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
 ルルは驚きのあまり、椅子から転げ落ちそうになる。

「なっ、ななっ、なにをするの!」
「頬にクリームがついていました」

 ノアは「甘い……」と言って唇をなめた。
 扇情的な行動に、ルルの頭は爆発寸前だ。

(キスしなくても拭いてくれればいいのに! いいえ、そもそも頬が汚れていると言ってくれれば、自分で拭けたのに!)

 責める言葉はいくつも浮かぶけれど声にならない。
 陸に上がった魚のように口をパクパクさせていると、「食べさせてほしいんですか?」とフォークをかすめ取られた。

「どうぞ、ルルーティカ様」

 一口分のケーキをのせたフォークを差し出すノアは、心なしか楽しそうだ。
 別にこういうサービスは求めてないんだから! と思いつつ、ルルは口を開けた。
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