【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
ノアが指摘したのは、ベッドヘッドに背をくっつける体勢だった。
「ルルーティカ様は、修道院では壁のくぼみに、屋敷で一番広い部屋ではわざわざ壁際の狭いスペースを探して、背をつけて丸くなっていました。背を見せないのは警戒の証です。眠っている間に危険にさらされないように、どこかで気を張っているのではありませんか」
「……お兄様が、こうしなさいって、おっしゃったの」
ルルは、毛布をかき抱いてチラリと手紙を見る。
「目を閉じていても耳は澄ましていなさい。背後に回り込まれないようにしなさい。隠れるためのものを近くに用意していなさいって――」
修道院に入れられたルルを一番気にかけてくれたのは兄だ。
無用になっても王族なのだから警戒を怠らないようにと言われて、ルルは決して熟睡しない生活を送っていた。
シスター達は、ルルをよく寝る子だと思っていたはずだ。
「気づいたのはノアが初めて。でも、もういいの。これはもう、わたしの生活の一部になってるんだから」
「――失礼します」
「ルルーティカ様は、修道院では壁のくぼみに、屋敷で一番広い部屋ではわざわざ壁際の狭いスペースを探して、背をつけて丸くなっていました。背を見せないのは警戒の証です。眠っている間に危険にさらされないように、どこかで気を張っているのではありませんか」
「……お兄様が、こうしなさいって、おっしゃったの」
ルルは、毛布をかき抱いてチラリと手紙を見る。
「目を閉じていても耳は澄ましていなさい。背後に回り込まれないようにしなさい。隠れるためのものを近くに用意していなさいって――」
修道院に入れられたルルを一番気にかけてくれたのは兄だ。
無用になっても王族なのだから警戒を怠らないようにと言われて、ルルは決して熟睡しない生活を送っていた。
シスター達は、ルルをよく寝る子だと思っていたはずだ。
「気づいたのはノアが初めて。でも、もういいの。これはもう、わたしの生活の一部になってるんだから」
「――失礼します」